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[No.9521] 音楽の都にて 投稿者:伽羅  投稿日:2015/10/18(Sun) 14:10:43
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音楽の都にて (画像サイズ: 348×464 85kB)

Gruess Gott! Servus!
佐渡さんのTONKUNSTLER-ORCHESTER 
SADO DIRIGIENT STRAUSS を聞いてきました。
同じプログラムで日曜日の楽友協会のマチネ、月曜日のザンクトペルテン祝祭劇場での夜の演奏会です。

曲目はR. シュトラウスの『ばらの騎士』組曲
同じくR. シュトラウスのオーボエ協奏曲、ソリストはあのベルリンフィルのトップオーボエ奏者アルブレヒト・マイヤーさん。
休憩を挟んで佐渡さんお得意の、ガブリエル・フォーレの「ペレアスとメリザンド」組曲
最後がアルベール・ルーセルの「バッカスとアリアーヌ」組曲というプログラムでした。
ガツンとした交響曲を聞くのもいいけど、こういう通好みなプログラムを音楽の都でしっくり聞くのもオシャレですよね。
両日ともNHKの撮影クルーが入っていましたし、BSの特番とかになるのか、期待したいところです。

詳しくはまた別なところでも書きますが、とにかく2日に渡り素晴らしい音楽を聞くことができました。

人懐っこい笑顔で登場した佐渡さんは、リラックスした雰囲気で大胆に指揮をされ、
あの楽友協会の客席に近すぎる狭い舞台の古い指揮台の上で、
何度もジャンプしていたのが印象的! さすが我らのマエストロ。
ウィーンのおばちゃん、佐渡さんがジャンプするたびにあらまぁって顔で横向いていたあなた、
いずれあなたも佐渡さんの虜となるでしょう。

ベルフィルが薄い磁器のように極限を求めた音を表現する楽団だとすると、
トンキュンは手に取った時に温もりを感じられるポテッとした分厚い陶器のような。
音楽の真髄を楽しみながら聴衆に届けたい、そんな魂の篭った楽団のように感じました。

特に素晴らしかったのはヴィオラトップ奏者の方、活躍するソロ場面も多かったのもあるのですが、
それにしてもあの音の生まれる前と後の瞬間にさえ感じられる、彼の魂の入り込み方、
音楽と指揮者への献身的な姿勢、みごとでした。

そしてオーボエ協奏曲ソロのアルブレヒト・マイヤーさんの超絶にして染み入るような演奏。
ぶっちょヅラから繰り出されるなんとも繊細で安定した音色。
アンコールのバッハ教会カンタータBWV156より「シンフォニア」では
ムジークフェラインもフェストシュピールハウスも、ホールは打ち静まってその音色に集中し、心を奪われていました。

後半のフォーレの楽曲はマエストロのお得意の作品。
管楽器も美しい音色を醸し出していました。
ルセールの「バッカスとアリアーヌ」組曲はあまり聞いたことのない曲だったのですが、
曲の終わりに向かっての迫力が素晴らしく、この楽団の何というか、
乗せればどこまでも乗っていきそうな、オーストリア魂みたいなものを
ちょっと感じさせられましたね。

ザンクトペルテンでは舞台も広いせいか、楽団員さんが前日より伸び伸びと演奏され、
コンマスの方も上半身も、足も、揺れるわ揺れる。よう乗ってはりましたわ。


ザンクトペルテンでは定期会員向けのレセプションにもそっとお邪魔し、
マエストロにご挨拶もしてきました。

レセプションでは通訳を兼ねたインタビュアーが佐渡さんから、トーンキュンストラーの音楽監督になっての展望や感想を聞き、
マエストロは来年、カディッシュをはじめとしてバーンスタインの曲を取り上げることを仰っていました。

若き日の佐渡青年と光の中を歩む巨匠バーンスタインとのエピソードの数々も語られましたが、
集まったどれだけの人たちが、それらの日々が脈々たる伏線となって、
今日、湧き出る泉のように、音楽の都ウィーンとニーダーエスターライヒ州に佐渡さんがポジションを得ていることの意味、
すなわち天の配剤を感じることができたでしょうか。
やがてウィーンの人々もニーダーエスターライヒ州の人々も、
佐渡さんから受ける恩恵を通して、人を融合するものとしての音楽の可能性をひしひしと感じる日が来るでしょう。

一歩、主要鉄道駅に近づくと、そこには行き場を失って座りこむ人々、既にヨーロッパで暮らしていた移民の人たち、
新たに加わった大勢の難民の人たち、そして物乞いをする人たち。
同じ時代に同じ赤い血と透明の涙を持ちながら、同じ世界規模のダンスの輪に加わっているはずの私たちが、
人種、出自、のっぴきならない状況のゆえに分断され、分かち合えないことの不条理が横たわっていました。
笑顔を見せず、眼光鋭くこちらを見つめ返す人々。

この時代、この時期に佐渡さんは、使命を与えられました。
魂のふるさと、音楽を通して、同じ人生という楽曲を生きる共通因子のひとつひとつであることを思い出すことができるように、
佐渡さんはそういう音楽を生み出していくのだと確信しました。

師匠バーンスタインは遠くまた近い倍音となって、佐渡さんという指揮者の中で
琥珀の眠りから覚めてウィーンに再臨していることでしょう。

マエストロSADO、ヨーロッパがあなたを必要としています!


[No.9522] Re: 音楽の都にて 投稿者:Miyabi  投稿日:2015/10/21(Wed) 09:43:22
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素敵なレポートありがとうございます♪
私は10/1のWienでのデビューコンサートと3日のGrafeneggでのコンサートに行きましたが、
デビューコンサートは立ち見も出る人気ぶりで、演奏だけでなく、かつては立ち見で著名な指揮者の演奏を聴いていた佐渡さんが、今は立派に指揮台で演奏されている姿に、胸が熱くなりました。
3日のGrafeneggは、とにかく周りに何もない田舎ですが、ぽつんときれいなお城と近代的なホール、野外音楽堂があり、こんな田舎でもたくさんのお客様が聴きに来られて、地元に愛されているオケなんだなぁと思いました。
Wienの街中の至るところに、佐渡さんのポスターが貼られており、見つけては写真を撮ってサドラー的な観光も楽しめました♪


[No.9524] Re: 音楽の都にて 投稿者:ユエ  投稿日:2015/10/25(Sun) 20:15:36
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こんばんは。
ウィーンのレポート、ありがとうございます。

私もウィーンを観ました!・・・BSフジで。(^^)
24日(土)の放送、『辻井伸行×オーストリア』
音楽の都ウィーンの心を震わせた瞬間
に、佐渡さんも登場!
トーンキュンストラー管弦楽団とともに、学友協会、
ノブ君との、プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番(^^♪

とっても素晴らしい演奏でした!

聴いていたら、なんだか、学友協会が京都に思えてきて、
そういえば、日本の京都も歴史、伝統のある都だったわ、
しかも、佐渡さんの故郷や〜ん!
と、ホッとしてしまいました。
悠々と、余裕な表情のさどさんのインタビューを見ていたら
「そうはいっても、慣れない所で、プレッシャーやらなんやらで
大変なんだろうな」という心配も吹き飛びました。

ウィーンでの活躍、遠く日本で応援しています!!
がんばって〜

・・・っと思ったら、ぼたんさんのレぽでは
さどさんは日本に帰ってる?!

あ、お帰りなさい。