> とても華やかで楽しかったし、
> 久しぶりにオイオイ泣けましたー。
>
> 泣けるけど、最後がステキでした。
ほんとうに!
今回のオペラのために発売されたTシャツの背中には、
今までの芸文オペラのタイトルがすべて記されていたけれど、
そのひとつひとつのタイトルの中でも、
この椿姫が飛び抜けて上手な舞台装置を施していると感じました。
背景や内面の心理描写を、ああいうカタチで表現出来るってすごい。
シンプルなのにゴージャスで効果満点。
マエストロの呼吸とともに前奏曲が奏でられた瞬間から、
音楽と一体となった素晴らしい背景が、
19世紀のパリへと飛んでいく翼を私たちに授けてくれました。
馬車が近づいてくるところ、遠ざかっていくところ、
心の喜び、忍び寄る不安、
時間に対する緊迫感がとてもリアルで、
見ている側は登場人物たちの心を吸収しやすかったです。
ヒロインのドヴァリさんも森麻季さんも華奢で、ヴィオレッタ役にはうってつけ。
難所のコロラトゥーラは曲芸のような音域が求められ、
聴く方もスリリングな気持ちで、歌い終わった時にはほっとしました。
アルフレード役はどちらもすてきな声で、
ジェルモンはとくに高田さんが客席へのアピール度があったように感じました。
それからジプシーや闘牛士たちの踊りの演出も面白かったですね。
年を重ねるにつれ。どうしても
頭のどこかで自分の人生や、残された時間、
人生の終わりを意識しながら舞台を鑑賞してしまうのだけれど、
このオペラの終わり方は、そんな自分にとっても救いのあるものでした。。。
椿姫の全編を通して意識される白さが指し示すもの、
それが再生の光となって自分の中に差し込むようで・・・。
舞台を鑑賞してからもう数日経ちましたが、
暗がりのなかに浮かび上がるステージのように
芸文オペラを見るために関西に戻った二日半の時の流れが、
心の中のあかるい場所となっています。
千秋楽へ向けてこの週末、マエストロ、みなさん、完全燃焼してくださいね。
本当にありがとうございました。